2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
照井 章 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (80323260)
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Keywords | 代数方程式 / べき級数根 / 記号的Newton法 / 同時反復公式 / Pade近似 |
Research Abstract |
本年度は、数値計算における反復解法に基づき、記号的Newton法において、以下の同時反復公式を与えた。 1)Aberthによる3次収束の同時反復公式を用いることにより、記号的Newton法における3次収束の同時反復公式を与えた。 2)櫻井らによる、Pade近似を用いた任意の収束次数をもつ同時反復公式を用いることにより、記号的Newton法の意味で等しい次数の収束次数をもつ同時反復公式を与えた。 なお、2)任意の収束次数をもつ同時反復公式にっいては、1)3次の同時反復公式を含む。 後者の任意の収束次数をもつ同時反復公式を求める際には、与えられたある有理式のm階微分、m+1階微分をそれぞれ計算しなければならないが、これを、与えられた有理式の分母、分子それぞれを用いた多項式上の反復計算で求めることにより、実際的な算法を提案した。 計算量解析では、上記2算法の時間計算量を算出した結果、数係数同士の乗算を単位にした計算量が、漸化式の反復回数、与えられた多項式の主変数に関する次数の2乗、べき級数の展開次数の2乗に比例することを導いた。これは、多項式の乗算に古典的な(次数の2乗に比例する)算法を用いた揚合の結果であり、多項式やべき級数の種々の効率的算法を用いることにより、改善する可能性がある。 今後の研究課題としては、上記算法の実験による検証が挙げられる。また、より実際的な問題へ本算法を用いるためのステップとして、係数に誤差を含むような多項式において、本算法の初期因子を計算するために、微小な摂動を加えることによって近似共通因子を実用的な精度で計算する算法の研究も挙げられる。
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