2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報理論的に安全性が保証される暗号・署名技術とその応用に関する研究
Project/Area Number |
19700008
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
四方 順司 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (30345483)
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Keywords | 暗号理論 / 情報理論的安全性 / 認証・署名 / ステガノグラフィ |
Research Abstract |
本研究課題における当初の研究実施計画どおり、情報理論的に安全性が保証される認証・署名関連技術、及び、情報理論的に安全性が保証されるステガノグラフィの理論研究に関して、十分な研究成果が得られた。これら研究成果は、国内外で既に発表を行っている。まず、情報理論的に安全性が保証される認証・署名関連技術に関する理論研究の主たる成果としては、世界で初めてグループ内相手認証のモデル、安全性の定式化、構成法を明らかにしたことが挙げられる。また、攻撃者の記憶容量に一時的に制限を設けるモデル(BSM : Bounded Storage Model)において、ビットコミットメントのシンプルかつ効率的な方式を提案し、また非対称鍵配送についても新たな方式を提案した。これらの研究成果は今後更に完成度を高め、査読有の論文誌に投稿することを計画している。次に、情報理論的に安全性が保証されるステガノグラフィに関する理論研究の成果としては、前年度からの取り組みにより、能動的攻撃を行う攻撃者に対して、情報理論的立場から安全性が保証されるステガノグラフィのモデル、安全性の概念とその定式化、構成法について完成度の高い研究成果が得られた。これはこの分野で最も権威ある学術論文誌IEEE Trans. On ITにて誌面発表した。また、安全性の定式化をBhattacharyya Distanceにより与えた場合の有効性についても重要な知見が得られたので、論文誌T. Data Hiding and Multimedia Securityにて発表した。以上の成果はいずれも現在の情報理論的に安全性が保証される情報セキュリティ技術の発展に大きく貢献しており、今後は実用性も含めて、これらの成果を更に発展させる計画である。
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Research Products
(10 results)