2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルゴリズムの構造を反映する数理モデルの構成と応用
Project/Area Number |
19700012
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
倉田 俊彦 Hosei University, 経営学部, 教授 (40311899)
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Keywords | プログラム意味論 / ラムダ計算 / 層論 / 領域理論 / 外延性 / 高階遂次性 |
Research Abstract |
これまでの考察において,完備半順序集合の層とその上の自然変換の圏Cpos(X)という抽象的な概念を考案し,これがプログラムの内包構造を捉えることのできる数理モデルに必要な性質を全て満たし,従来の枠組では捉える事のできない著しい特徴を備えていることを証明した。(こうした特徴を持つ一般的な枠組みの構築は本研究課題の全体的な目標の一つであった。)そこで,今年度からは,Cpos(X)の理論的長所に関連した広範な視点からの考察を試み「有限近似の概念を取り入れて様々な領域理論に対応する層の理論を構築すること」,「Cpos(X)を基にして,計算量・高階遂次性の理論などプログラムの内部構造に特有の性質を特徴付ける具体的な数理モデルを構成すること」,「既知の枠組(Cpos(X)と同様の特徴を持つ具体的な数理モデルの構成法が僅かに知られている)をCpos(X)の特殊例として記述すること」などを目標にそれらの準備段階となる考察を開始した。結果として,特に2番目の問題については,通常の領域理論の中で従来の形式よりも緻密な情報を操作できる近似定理が得られていることが分かり,それと同様の議論を展開できれば,自由に局所構造を制御して様々なモデルの構成に役立てられることが分かった。また,3番目の問題については「concrete領域とその上に定義される逐次アルゴリズムの圏」の概念自体が非常に複雑な仕組みであり,特に,逐次アルゴリズムの概念と「Cpos(X)における射」の関係については現段階でも明らかになっていない。この問題については, A. Bucciarelli and T. Ehrhard, A theory of sequentiality, Theoretical Computer Science 113 (1993). において逐次アルゴリズムの抽象化が行われていることが分かり,その結果を足掛かりに「両者をより抽象的な枠組によって説明することができるのではないか」と予想している。
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Research Products
(2 results)