2009 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な極大極小元列挙アルゴリズムのための新しい理論構築とその実用化
Project/Area Number |
19700017
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
宇野 毅明 National Institute of Informatics, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (00302977)
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Keywords | 極大元 / 列挙 / アルゴリズム / 双対化 / 極小集合被覆 / マトロイド / 出力多項式時間 |
Research Abstract |
本年は、極大な疑似クリークを列挙するアルゴリズムを開発した。疑似クリークとはクリークに近い密な部分グラフのことであり、極大な疑似クリークのみを見つけることで効率良いデータ解析が可能になる。このアルゴリズムは疑似クリーク列挙アルゴリズムと極大性の効率的な判定により実現した。このプログラムは効率的な実装もあわせて開発し、ホームページ上で公開している。このプログラムは、現実の問題で扱うような大規模なグラフに対しても短時間で計算が終了し、既存の手法よりもはるかに高速な求解が可能になっている。また、列挙だけでなく、極大元の数え上げについても研究を行った。その始まりとして、マッチングの数え上げに関して研究を行った。マッチングの数え上げは、一般的に非常に難しい問題と見なされているが、マッチングの数え上げに関しても、コーダルグラフなどの基本的なグラフクラスでも難しいことを、集合被覆の数え上げという困難性が示されている問題を帰着することで証明した。また、チェイングラフという非常に基礎的なクラスでは解けることを示した。また、この成果を拡張して、距離保存グラフやトレマイックグラフなどのクリーク幅が小さいグラフクラスにおいては、極大マッチングの数え上げが多項式時間で効率良く行えることを示した。この結果を拡張することで、それらのグラフでのパスやパスマッチングの数を数えることが多項式時間でできることを証明した。これらの結果については現在国際会議に投稿中である。
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