2010 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な極大極小元列挙アルゴリズムのための新しい理論構築とその実用化
Project/Area Number |
19700017
|
Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
宇野 毅明 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (00302977)
|
Keywords | 極大元 / 列挙 / アルゴリズム / 双対化 / 極小集合被覆 / マトロイド / 出力多項式時間 |
Research Abstract |
パレート最適解とは、複数の目的関数が存在する最適化問題に対して、全ての目的関数において優位である他の解が存在しないような解のことであり、最適化問題における極大解に対応する。これらパレート最適解を列挙する多項式時間アルゴリズムを設計することに成功した。 コーダルグラフはグラフクラスの中で基礎的な構造であり、完全列はコーダルグラフから導かれる構造である。これらの構造に対して高速な多項式時間列挙アルゴリズムを開発した。また、コーダルグラフに関しては数え上げやサンプリングに関しても研究を行い、計算論的な問題の難しさを証明した。 また今年度は、ハイパーグラフ双対化という、極大要素列挙の基礎的な問題に対して、高速な計算手法を開発した。既存の手法とは異なり大きくメモリ使用量が減少させることに成功しており、また計算速度についても大きく向上している。これについては実装と実験が終了し、現在国際会議に投稿中である。 極大な要素を列挙するアルゴリズムは、ある種のオラクルを仮定することで一般的な枠組みで議論されることが多い。しかし、これらオラクルは巨大データの計算で行われる工夫と相性が悪いことが多く、ゆえに巨大データでの一般的な極大解列挙アルゴリズムはあまり発展してきていない。今年度の研究で、大規模計算に対応したオラクルを用いることで、大幅な速度向上を実現する方法を開発し、それを用いて極大要素を列挙するアルゴリズムの開発を行い、実装を終了した。
|