2009 Fiscal Year Annual Research Report
仮想マシンモニタのための安全性向上技術に関する研究
Project/Area Number |
19700024
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
大山 恵弘 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (10361536)
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Keywords | 仮想マシンモニタ / セキュリティ / オペレーティングシステム / システムソフトウェア / マルウェア |
Research Abstract |
本年度はまず、ルートキットの技術を応用した仮想マシンモニタを用いた防御システムについて、前年度に引き続き開発と評価を行った。具体的には、リターンアドレス改ざんの検知によってカーネルレベルバッファオーバフロー攻撃を防止する仕組みを上記のシステムに組み込み、性能評価を行った。本システムは動作中のOSに対して動的な挿入と削除が可能になっており、利便性が極めて高い。その成果を論文にまとめて国際会議に投稿したところ、採録となった。 また、セキュリティシステムをテストするための、仮想マシンモニタを利用したシステムを構築した。このシステムはアプリケーションプログラムやカーネルに対して、マルウェアなどによる攻撃の効果を外部から注入するものである。攻撃の効果はユーザが記述したシナリオに従って注入される。注入された攻撃への反応を調べることにより、セキュリティシステムをテストすることができる。本システムは仮想マシンモニタを用いることにより、セキュリティシステムを動作させる環境と、そのセキュリティシステムの動作を制御するための環境を、1台のPC上に構築することを可能にし、利便性を高めている。 さらに、仮想マシンモニタ間に隠しチャネルを構築する手法の構築と評価を行った。具体的には本手法は、異なる仮想マシン内のプログラムがCPU負荷を通じて通信を行うことを可能にする。隠しチャネルの精度とバンド幅を計測する実験を行ったところ、理想的な環境では100%の確率で通信が成功し、ある程度のCPU負荷をかける別プログラムが存在する環境でも90%程度の確率で通信が成功した。本成果をまとめた論文を国際会議に投稿し、発表を行った。 加えて、関数型言語OCamlによるオペレーティングシステムの開発についての研究も行った。実際に小さいOSをOCamlによって開発し、システムソフトウェアに対するOCamlの記述性などを評価した。
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