2008 Fiscal Year Annual Research Report
コアスケジューラを用いた適応的計算機資源割当てによる仮想計算機システムの高性能化
Project/Area Number |
19700034
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
毛利 公一 Ritsumeikan University, 情報理工学部, 准教授 (90313296)
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Keywords | ソフトウェア学 / オペレーティングシステム / システムソフトウエア / 仮想化技術 / 適応ソフトウェア / 仮想計算機モニタ / 資源管理 |
Research Abstract |
平成20年度は, (1)4コアを搭載したプロセッサ上で動作するLavenderOSの開発, (2)効率的な資源配分を行うコアスケジューラの開発, (3)仮想計算機モニタ(以下, VMM)とゲストOS間での協調処理方式, の3点を中心として研究を進める計画であった. (1)については, LavenderOSのマルチコア化を行った. マルチコア化の際には, ネイティブの計算機上で動作する版と, VMMであるXenの準仮想化環境上で動作する版の2種類について実現した. ネイティブ版では, 計算機の起動時に複数のコアを起動するためのプロセッサ間割込みに代表される仕組みについて調査し, それを実現した. 準仮想化版では, XenのインタフェースとXen向けのサンプルゲストOSであるMini-OSを調査し, それに基づいてLavenderを改変したまた, マルチコア環境におけるプロセッサ間同期機構についても実現した. この成果は, 情報処理学会研究報告で「協調型仮想計算機システム向けOSにおけるプロセッサ間同期手法」などで発表した. (2)と(3)については一体のものとして研究を進めた. この成果は情報処理学会全国大会で「協調型仮想計算機システムにおける協調機構」として発表した. ここでは, コアスケジューラの処理方式として, 協調型スケジューラを提案した. また, それを支援する協調処理のための機能として, ゲストOS-VMM間の通信・シグナリング機構, ゲストOSにおける資源管理機構, VMMにおけるVM監視機構, 動的資源割り付け機構について設計・提案した. これらの詳細は, 荒木裕靖著, 2008年度立命館大学大学院理工学研究科修士論文「協調型仮想計算機システムにおける適応的資源割り付け機構」にも記されている. これらについては, 現在も実装を進めている.
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