2007 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークコーディングを用いた無線アドホックブロードキャスト通信
Project/Area Number |
19700059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 崇弘 Osaka University, 大学院・工学研究科, 講師 (50314381)
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Keywords | 無線アドホックネットワーク / ブロードキャスト / ネットワークコーディング |
Research Abstract |
無線アドホックネットワークでブロードキャスト通信を行う場合,ネットワーク中におけるパケットの氾濫によりリンク帯域や消費電力が浪費されるブロードキャストストーム問題が発生する。本研究では,ネットワークコーディング技術を用いてこの問題を解決する。ネットワークコーディングは,中継ノード到着した複数のパケットを符号化により1つのパケットに変換することによりネットワーク中のパケット数を飛躍的に削減することを可能とする技術であり,無線アドホックネットワークで用いた場合ネットワークコーディングによりパケットロス率を改善することができる。これまでの検討では,ネットワークコーディングを用いて符号化を行う際に用いるパケット数Nを2に限定した場合について有効性を確認していたが,本年度はN>2に対するパケット数の削減効果を明らかにした。その結果,パケットロス率を最小にする最適なNが存在することを明らかにした。これは,Nを大きくするとパケット数はより削減されるが,受信ノードで復号に必要となるパケット数が多くなるので,符合化の失敗確率も高くなるからである。また,Nを両定した場合にノード密度に対するパケットロス率の改善効果も評価し,ノード密度に対しても最適値が存在することを明らかにした。これは,ノード密度が高くなるパケット衝突による影響が大きいが,ネットワークコーディングによる復号成功率も改善するためである。以上より,ネットワークコーディングの状況により適切なパラメータで用いる必要があることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)