2008 Fiscal Year Annual Research Report
車車間ネットワークの流動性を隠蔽する静的オーバレイネットワーク
Project/Area Number |
19700062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 弘純 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80314409)
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Keywords | VANET / オーバレイネットワーク / 車車間通信 / 無線アドホック通信 |
Research Abstract |
本研究では、車車間ネットワーク(VANET)の流動性を隠蔽しVANETの上位に安定して存在する静的なオーバレイネットワークを構築する手法を考案している。このオーバレイネットワークは、VANETを構成する車両の物理的な移動に関わらず、一定の地理区画ごとに、ルータ機能とストレージ機能を備えた静的仮想ノードを提供する。隣接区画の仮想ノード間はオーバレイリンクで接続され、ある仮想ノードへ送信されるデータはその仮想ノードの区画の車両へと転送される。したがって、全体としてはあたかも静的なメッシュネットワークのように振舞う。これにより、多地点間データ共有アプリケーションや無線スポットのエリア拡張によるインターネットサービスの提供、交通量に応じた連動信号制御など、多様なアプリケーションをあたかも静的ネットワークで実装するように実現できるネットワーク環境の実現を目指している。本年度はこのプロトコルの詳細設計と評価を行っている。シミュレーション実験により、VICSなどの路側機から発信されるデータを車車間通信を用いてより多くの車両に配信するシナリオを設定し、データ配信確率と無線通信の安定性を評価した。その結果, 高いデータ配信率で安定的にデータ配信を行えることを確認した。今後は19年度に得られた結果と合わせ、より現実性の高いトラフィックシミュレータを利用して様々なデータやアプリケーション、車両密度が異なる交通状況などにおける提案手法の有用性を示していく予定である。
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