2007 Fiscal Year Annual Research Report
端末間の自律的な協調動作による効率的なネットワークモビリティ制御手法
Project/Area Number |
19700063
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河野 圭太 Okayama University, 総合情報基盤センター, 助教 (40397899)
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Keywords | ネットワークモビリティ / マイクロモビリティ / モビリティ制御 / モバイルIP / ハンドオーバ / 負荷分散 |
Research Abstract |
バスや電車内のネットワークなどのように、接続端末数が多い"ネットワーク"が移動する環境では、その移動に伴う制御メッセージの同時多発が通信品質劣化の要因となる。本研究では、端末間で自律的な協調動作をすることにより、これを最小限にとどめるネットワークモビリティ制御手法について検討している。 移動ネットワーク内の端末のモビリティを制御するためには、その移動先ネットワーク内にモビリティ制御ルータを配置し、端末(移動ネットワーク)の現在位置を常に把握させておくことが必要である。このとき、制御範囲の異なる複数のモビリティ制御ルータを、その制御範囲が重なり合うように配置することによって、システムの負荷分散や耐故障性の向上が可能になる。そのため、移動ネットワーク内の各端末が、どのモビリティ制御ルータによって制御されるかを戦略的に選択することがシステムの効率利用のために必要である。 本研究では、前年度までの科学研究費補助金にかかる研究として、同一移動ネットワーク内の通信状況を考慮し、多様な制御範囲を持つ複数モビリティ制御ルータを使い分ける手法について検討してきた。しかしながら、より効率的なモビリティ制御を実現するためには、同一移動ネットワーク内の通信状況のみならず、周辺移動端末・周辺移動ネットワークの通信状況をも考慮し、複数モビリティ制御ルータを使い分けることが必須である。そこで、本年度は、各移動端末が、そのような通信状況を考慮し、自身のモビリティ制御ルータを自律的かつ協調的に選択することにより、効率的なモビリティ制御を実現する手法について検討した。 まず、前年度までの研究成果を適用するにあたり、より詳細なネットワーク状況を想定した検討が必要であると判断し、シミュレーション実験を通して明らかになった問題点に対する再検討を行った。また、この成果を適用した場合の制御効率に関する特性調査を行い、この結果に基づき、より効率的なモビリティ制御を実現するための手法について検討している。本手法では、周辺移動端末や周辺移動ネットワークの通信量に対して、相対的に通信量の多い移動ネットワーク内の端末が制御範囲の広いモビリティ制御ルータを、相対的に通信量の少ない移動ネットワーク内の端末が制御範囲の狭いモビリティ制御ルータを選択し易くする戦略を採る。この戦略の詳細については来年度も引き続き検討する。 最後に、本研究の成果を、電子清報通信学会ネットワークシステム研究会で発表した。
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Research Products
(1 results)