2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークシステムのリソース制約を考慮した情報源/通信路符号化方式に関する研究
Project/Area Number |
19700078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 晴彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (70392868)
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Keywords | ソリッドステートドライブ / フラッシュメモリ / 非対称誤り制御符号 / 階層化誤り制御符号 / 多元LDPC符号 |
Research Abstract |
コンピュータシステムに対しては近年, 低消費電力化が強く求められており, 本研究で扱う分散ストレージシステムにおいても, 消費電力の少ないソリッドステートドライブ(SSD)の採用を考慮するする必要がある. SSDで用いるフラッシュメモリの高記録密度化に伴いデータの誤り率上昇が予測されることから, 本年度の研究においては, SSDに対する誤り制御符号に重点をおいて研究を行った. 具体的には, 8レベル以上の多レベルセルフラッシュメモリにおける多ビット誤りを効率的に訂正するため, 従来のBCH符号等のランダムビット誤り制御符号に加えて, 2階層及び3階層で符号化を行う多レベル誤り制御符号化法を提案し, 復号後の誤り率が3桁程度低下することを示した. また, 多レベルセルにおいてはゲート電圧の閾値の変動により, 値が隣接値に誤る非対称誤りが発生することから, 多レベルセルにおける非対称誤りを効率的に訂正できる多元低密度パリティ検査(LDPC)符号の設計と評価を行った. これにより平均列重みが2.5程度の多元LDPC符号が従来の2元Irregular LDPC符号よりも低い誤り率を与えることを明らかにした. また, 本研究の目的の一つである小型携帯機器において, 限られた主記憶領域を有効に活用するため, 主記憶内データの圧縮符号化法として, BWTとMTF処理を用いた圧縮法を提案した. 主記憶においてはデータの処理単位が小さく, 一般に数KB以下であることを考慮して圧縮法を構築した結果, 従来のLZ符号よりも高い圧縮率を有する圧縮法が得られた. Distributed Video Coding(DVC)について, より高い圧縮率を得るためには符号化アルゴリズムを大きく変更する必要があり, このため従来の手法の問題点を整理し, 次年度以降の研究方針を決定した.
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Research Products
(2 results)