Research Abstract |
Distributed Video Coding (DVC)について,誤り制御符号を用いて圧縮するフレーム(WZ (Wyner-Ziv)フレーム)の画質を向上させるため,これらのフレームに少ないデータ量と計算量で補助的な情報を効率的に付加する手法を構築した.すなわち,従来のDVCにおいては,WZフレームに関する情報として,誤り制御符号の検査ビットのみを送信していたのに対し,提案手法では,WZフレームのDCT係数の絶対値から,各DCTブロックのエッジの向きを検出し,主要なエッジ成分のみを取り出してエントロピー符号化を行い送信する手法を提案した.復号処理においては,イントラ符号化フレームと,WZフレームのエッジ成分を用いて,動き補償を行い,従来よりも高い精度でWZフレームの予測画像を生成する手法を提案した.また,DVCに適用する誤り制御符号として,従来のTurbo符号や2元LDPC符号よりも高い誤り制御能力を有する多元LDPC符号を用いることとし,DVCに適した多元LDPC符号の構成法について検討を行った.本研究では,遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて多元LDPC符号の探索を行う手法を提案した.アルゴリズム実行のためには,高速な並列演算環境が必要であるため,スーパーコンピュータにより探索を行うための並列プログラムを作成した.本研究で提案した手法の画質(PSNR)を評価した結果,本研究で提案したDVCのPSNRは,従来のDVCと比較して数dB程度高いことを明らかにした. また,分散ストレージシステムに対する誤り制御符号化法として,上記のDVCで用いた多元LDPC符号を用いる手法について検討を行った.主記憶装置に対する圧縮符号化法に関して,キャッシュメモリのラインサイズ等について検討を行うため,プロセッサシミュレータを用いて主記憶装置へのアクセスパターンを解析するための準備を行った.
|