2010 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークシステムのリソース制約を考慮した情報源/通信路符号化方式に関する研究
Project/Area Number |
19700078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 晴彦 東京工業大学, 大学院・情報工学研究科, 講師 (70392868)
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Keywords | Distributed video coding / レート推定 / 多元LDPC符号 / 分散ストレージシステム / MTTDL |
Research Abstract |
Distributed video coding (DVC)に関する研究:従来の手法では符号量制御のために復号器から符号器へのビットリクエストが必要であり,リアルタイムで復号を行わないビデオカメラ等への応用が困難である.この問題を解決するため,本研究では符号器における軽量な動き予測を用いたレート推定法を提案した.すなわち,符号器において一部のマクロブロックに対し動き予測を適用し,これより動きベクトルのユークリッドノルムと,動き補償画像の平均絶対値誤差(MAD)を求める手法を提案した.これにより各フレームの符号量を,上記のユークリッドノルムとMAD,及びDCT係数の分散の関数として近似することができた.提案手法のPSNRを従来のDVCのPSNRと比較した結果,提案手法により符号量が適切に推定できることが明らかになった,例えば,CIF画像(foreman)をレート0.5[bit/pixel]で符号化した場合,32dB以上のPSNRが得られることを示した.また,符号器における計算量の評価を行い,提案手法の符号器における計算量はMPEG-2の符号器における計算量の1/9程度であることを示した. 分散ストレージシステムに対する誤り制御符号化法:多数のディスクから構成される分散ストレージシステムにおいて,ディスク故障の発生に応じて動的に誤り制御符号を再構成することにより,検査ディスク(誤り制御符号の検査部を記憶するディスク)をスペアディスクに置き換え,これにより従来よりも少ないディスク数で高信頼な分散ストレージシステムを構成できることを示した.本年度の研究では,特に符号の再構成時にディスクからの読み出しデータ量ができるだけ小さくなるような初期検査行列の設計法と再構成アルゴリズムを明らかにした.評価の結果,提案手法の符号再構成時における読出しデータ量は,従来の動的再構成法と比較して50%程度少ないことを明らかにした.
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Research Products
(7 results)