2007 Fiscal Year Annual Research Report
大域照明を考慮した動的なシーンの高精細かつ高速な画像生成の研究
Project/Area Number |
19700095
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
岩崎 慶 Wakayama University, システム工学部, 講師 (90379610)
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Keywords | コンピュータグラフィクス / レンダリング / 大域照明 / 相互反射光 / 前計算放射輝度伝達 / GPU / 球面調和関数 |
Research Abstract |
本研究では,シーン中の光源や物体を自由かつインタラクティブに動かすことができる,高精細かつ高速なレンダリング(画像生成)方法の開発を行う.高精細な画像を生成するためには,大域的な光の伝播(大域照明モデル)を正確にシミュレーションする必要がある.本研究では,大域照明の中でも特に相互反射光(物体間で反射する光)に焦点を当てた高速なレンダリングを行う. 本研究では,物体を光源とみなして別の物体を照らすことによって物体間の相互反射光を計算する.動的なシーンでは,物体や光源の位置が逐次変化するため,光源とみなす物体の輝度分布は常に変化する.そのため、光源とみなす物体の放射輝度を前計算しておくことはできない.本研究では,あらかじめ物体の周囲に点光源を設定し,各点光源で照らされた物体表面の輝度分布を計算する.物体表面の輝度分布を主成分分析し,少ない数の基底関数の線形和で物体表面の輝度分布を表現する.輝度分布を基底関数展開することにより,各基底関数を輝度とした光源からの放射輝度は物体・光源の位置によらず一定であるため,前計算することができる. さらに,各頂点での相互反射光の計算は並列計算可能であるため,並列計算ユニットを搭載したGPU(Graphics Processing Unit)を利用することによって高速化を行った.CPUによる計算と比較して,5倍から10倍程度高速化することができ,インタラクティブに物体や光源を動かしても相互反射光を考慮した高精細な画像生成を行うことができた.以上の結果をまとめ,国際会議Eurographics Symposium on Rendering2007に投稿し採択され,発表を行った.
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