2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700104
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
尹 新 Ritsumeikan University, 衣笠総合研究機構, 研究員 (80425024)
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Keywords | 文化財 / 可視化 / 可触化 / レンダリング / 浮世絵 / 和紙 / コンピュータグラフィクス / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
平成20年度では, 主に皮膚触覚提示の研究およびシステムの実装を行った. まず, これまでに開発された非接触方式で計測した文化財サンプルの多方向照明画像から物体表面の微細構造を抽出した. 次に, その微細構造から皮膚触覚生成法を提案し, 触覚提示のための振動信号を作成し, 振動ティバスにより文化財である浮世絵と能装束の仮想皮膚触覚を提示した. 更に, 力覚提示できるディバスと3次元ディスプレイを加え, 昨年度で開発された仮想文化財の視覚情報の表現技術と今年度で開発された皮膚触覚表現技術を合わせ, 実時間で仮想文化財を触れるシステムを実装した. 最後に, このシステムを用いて, 幾つか評価実験を行い, 提案した仮想皮膚触覚の生成法の有効性を確認した. また, 研究成果として学会論文を平成20年度中に幾つか国内外の学会で発表すると共に, 展示を行い, 研究成果を社会に発信した. 本研究の一つの特徴として, 文理の融合であり, 情報処理技術を用いて人文研究を支援するため, 有効な文化財を提示する手法を提案した. 開発された文化財皮膚触覚提示システムは, 日本の伝統文化を代表する文化財浮世絵と能衣装をバーチャル世界の中で触わりながら鑑賞できることを実現した. 高臨場感を得ることが可能な次世代のデジタル博物館の一種となっている. 観客が仮想の文化財の触りながら, 文化を" 体験" できる. 文化の一つの有効な発信手法として確認できる. 将来的に, その文化の表現から生まれた情報処理技術は, ゲーム, 遠隔医療, デザイン, 教育など様々な分野へ応用されることが期待できる.
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Research Products
(13 results)