Research Abstract |
本年度は,環境共有支援システムを実現するための基本的な3つのソフトウェアモジュールの作成を行った.アイコンタクト映像生成モジュールでは,モニタの上部に設置したカメラで,モニタの前に座った人物のバストショットを撮影した画像を扱う.撮影された顔領域は,カメラの方向を向いていないので,画像上の顔の領域の位置を検出し,相対的にカメラに近い頭頂部を小さく,顎部を大きくするような変換を施すことによって,正面顔画像を生成する.このままだと瞳がカメラを睨んでいるように変換されてしまうので,さらに,顔における瞳の領域を検出し,カメラの方向を向くように変換することによって自然な正面顔を生成する.添削対象文書のリアルタイム撮影記録用モジュールでは,高解像度カメラを机の天板の上に光軸を真下に向けて設置し,机上を常に観測する.机の上に文書が置かれた瞬間に輝度値が大きく変化し,かつしばらくすると変化量が小さくなることを利用して,机上に紙文書が置かれたタイミングを判断して,その時点での文書画像をビットマップ形式で記録する.添削情報の構造化情報付き記録・提示用モジュールでは,大型の液晶ペンタブレットに文書画像全体を表示し,その上から記入される赤ペン入力の入力情報を獲得する.入力情報は,ペン使用時,消しゴム利用時ともに,記述される文書番号,文書の左上を頂点とする(x,y)座標,記述された時刻,である.これらの3つのソフトウェアモジュールの作成によって,遠隔添削指導の環境の共有を支援するシステムの基本的な機能を構築した.
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