2008 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔対話における遅延の影響を軽減・利用するための情報提示手法
Project/Area Number |
19700113
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 和義 Kyoto Institute of Technology, 情報科学センター, 助教 (60422507)
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Keywords | 遠隔対話システム / 遅延 |
Research Abstract |
本年度の研究では、応答期待時間を変化させる要因として、遅延自己映像の提示と、音声波形の提示の2手法について検討した。最初に自己映像と相手の映像を重ね合わせて提示する遠隔対話システムを用いた共同作業タスクにおいて、自己映像・音声および相手映像・音声の遅延が及ぼす影響について検討した。その結果、相手の映像・音声のみに遅延がある場合は遅延の存在自体に気付きにくく、逆に自己映像・音声に遅延があると遅延の存在を認識することができ、相手の応答に合わせた行動をとりやすいことがわかった。この結果は遅延自己映像の提示により応答期待時間を延長できる可能性を示唆していると考えられる。音声波形の提示による影響については予備調査の結果から音声波形を提示することにより相手側での音声再生状況を視覚化することで、応答期待時間の延長が期待できることがわかった。これについては現在詳細な評価実験を行っている。次に応答待ち時間を変化させる要因に関して、プログレスバーの進行速度が利用者の主観的な時間感覚や不快感に与える影響について分析した。プログレスバーの表示時間として5秒〜60秒の6段階、進行速度変化パターンとして7種類について評価をした結果、表示終盤の速度の影響が大きいことがわかった。最後に遅延の影響を軽減する情報提示手法として、相手が見ているあるいは聞いているタイミングで遅延自己映像および音声波形を提示することによる応答期待時間の延長を目指したシステムの開発を行った。このシステムに関しては現在詳細な評価実験を行っている。
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Research Products
(2 results)