2008 Fiscal Year Annual Research Report
ビデオシースルー拡張現実感のための光学的整合性の向上に関する研究
Project/Area Number |
19700117
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
神原 誠之 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (10346306)
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Keywords | 拡張現実感 / 光源環境推定 / 光学的整合性 / ハイダイナミックレンジ画像 / トーンマッピング |
Research Abstract |
本研究は、拡張現実感におけるより高度な幾何学的・光学的整合性問題の解決技術の確立を目指すもので、具体的には、単眼・複数カメラを用いた光源環境推定の手法の高精度化に関して研究開発を行った。本研究では、光学的整合性問題のもう一つの大きな課題である現実環境と仮想環境の画質の一致技術の開発も同時に試みた。この問題は特に、高い写実性を持っ拡張現実環境が表現可能な重畳方式であるビデオシースルー方式の際に重要な課題となる。一般にビデオシースルー方式の場合、現実環境を撮影するカメラによる映像とCGで描かれる仮想物体の画質を一致させることが課題となる。これを解決するためには、カメラによって実環境のシーンがどれだけ劣化するかを実時間で推定し、仮想物体にその劣化を擬似的に再現する手法を確立した。また本年度は単眼カメラおよび複数カメラを利用して実シーンの光源環境のより高精度に推定する手法を開発した。従来の手法では、ユーザに提示するために実環境をカメラで撮影した画像から光源環境の同時推定を試みていたが、一般的に光源の輝度が高いため実シーンと鏡面球に映りこむ光源の双方が同時に鮮明に撮影されることは困難であった。この問題を解決する手法として、ハイダナミックカメラ(広範囲輝度を同時に撮影可能なカメラ)を利用することが一般的である。本研究では、近年小型化か可能となった高フレームレートカメラを利用することで、広範囲の輝度を含む画像(一般的な実シーンと光源を同時含む画像)からの光源推定手法を実現した。同時に、異なるシャッタースピードで動作する複数のカメラを用いて、ハイダイナミックレンジ画像の実時間生成を行い、高精度な光源環境の推定手法の研究開発を行った。
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