2007 Fiscal Year Annual Research Report
非対称な知識を持つ集団の対面協調作業支援に関する研究
Project/Area Number |
19700125
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
松下 光範 NTT Communication Science Laboratories, その他部局等, 研究者 (50396123)
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Keywords | 協調作業支援 / テーブル型システム / 知識の非対称性 |
Research Abstract |
本研究では,デーブルを囲む少人数参加者の合議に焦点を当て,知識の非対称性を有する参加者間のコミュニケーション様態と議論結果との関連性を分析することを目的としている。 本年度は,対面環境下での協調作業において,異なる情報を有する参加者が情報共有のために行なうコミュニケーションで用いる非言語モダリティ(身振りやジェスチャ,アイコンタクトなど)がどのように課題達成に寄与するのか,また,それらの非言語モダリティが制限された場合に言語モダリティでのやりとりにどのような影響があるかについて実験し分析した。実験では,テーブルを囲む協同作業場面と,同室内で個人用PCを介して行なう協同作業場面を設定し,それらの条件間で同一の課題を行なった場合の行為の違いを観察した。課題として(A)迷路の中で一人の逃亡者を協力して捕まえる課題(迷路ゲーム課題)と,(B)各参加者に異なる断片情報を与え,その断片情報にもとづいて一枚の地図をい完成させる課題(ブックマートX課題),のふたつを用いた。この結果,(1)指差しなどの直示行為の利用有無は課題達成率と指示代名詞の使用量に影響する,(2)発話頻度や発話内容には条件の違いは影響しない,(3)他者を目視できるか否かは課題達成率の向上には寄与しない,ことが確認された。また,非言語モダリティが制約された状況のほうが制約されない状況に比べて課題達成度が向上するケースも観察された。これらの知見は,対面協調作業において暗黙的に支持されている「アイコンタクトやジェスチャの利用が課題達成の向上に寄与する」という仮定が必ずしもすべての場面で成り立つわけではなく,場合によっては阻害要因になりうることを示唆しており,今後の対面協調作業支援システムのデザイン指針を検討する際に考慮すべき事項だと考えている。
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Research Products
(1 results)