2007 Fiscal Year Annual Research Report
大規模な語彙意味構造辞書をコーパス主導で開発する研究
Project/Area Number |
19700130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮尾 祐介 The University of Tokyo, 情報理工学系研究科, 助教 (00343096)
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Keywords | 自然言語処理 / 意味構造 |
Research Abstract |
意味情報が付与されたコーパスやシソーラスなどの辞書,およびこれらを利用した研究について調査を行った.Proposition Bank, NomBank, FrameNetなどは意味役割認識の研究が広く行われており,本年のCoNLL shared taskでも採用されている.一方,WordNetなどのシソーラスを用いた研究として,シソーラスの自動構築や語義曖昧性解消などが行われている.いずれの場合も,これらのリソースを直接的に利用する研究であり,これらの情報を統合して語彙意味構造などの詳細な意味構造を構築する研究はない.また,語彙意味構造の大規模なコーパスや辞書の開発は一部で行われているが,構文解析技術と組み合わせている研究はなく,本研究であらたに検討する必要があると考えられる. 一方で,構文解析技術,および構文解析の評価に関する研究を行った.特に,従来の浅い構造で評価する手法に対し,より深い意味構造レベルでの構文解析器評価を行い,HPSGに基づく構文解析器が高精度を達成することを示した.これは,HPSGに基づく意味構造に対して語彙意味構造を統合することの有効性を示していると考えられる.また,WordNetの意味クラスをHPSG構文解析器に統合する実験を行った.意味クラスを曖昧性解消の素性として利用する実験を行ったところ,構文解析の精度が向上することを確認した.これは,構文解析と意味解析を統合して行うことの意義を示していると考えられる。今後は,より詳細な意味構造をHPSG構文解析器に統合する実験を行う予定である.
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Research Products
(3 results)