Research Abstract |
本年度は,大規模データの意味理解と解釈を支授するために,データ全体の傾向を捉えるシステム,ならびに特徴的なデータに印を与えることで.積極的な意味付けを促すインタフェースを構築した. データ全体の傾向を捉えるためには,二次元インタフェース上に視覚的に表すことが不可欠であり,検索結果として得られるWebぺージ集合をその具体,抽象の度合いに応じて並べるシステムを構築し,このインタフェースを用いて多くのぺージの傾向を眺めることで,ユーザが探す,より具体,より抽象的なページを素早く探すことができることを確認した. また,単ーのテキストにおいて,テキストの主題と関わりのある単語,および明確な関わりが記述されていない単語を区別したうえで,単語出現の時系列で表示する川下りシステムを構築した.このシステムを用いることで,各テキストが,その主題についてどれくらい一貫性があるかを,テキストの本文を読むことなく,直感的に把握できることを確認した. ある分野のキーワード集合を,検索エンジンによるWeb上でのヒット件数をもとにクラスタリングして表示するシステムを基盤として,そのキーワード集合に「観点」となる単語を与え,異なる観点を与えたときに,キーワード間の関係がどのように変わるかを把握することの支援を行うシステムを構築した.特に観点の変化に応じて,キーワードの結びつきが大きく変わる特徴的なキーワードに対して印付けを行ったところ,その他のキーワードへの着目数を減らすことなく,印付きキーワードへの着目,ならびにその有効な意味付けが行えることを確認した. これらのシステム構築と実験結果から,情報の解釈には直感的に全体を理解可能なインタフェースが効果的であり,また気づきを促す印を与えことで,積極的な意味理解を支援できることが確認でき,計算機が回答を与えるのではなく,人間に回答を促すシステムの有効性が示唆される.
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