2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700156
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
李 軍鋒 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (50431466)
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Keywords | 両耳雑音抑圧法 / 二段階両耳音声強調 / 適応フィルタ / 補聴器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、両耳に与えられる信号から、音声科学の観点で人間の知覚メカニズムについての知識および音声工学の分野から得られたアレイ信号処理についての知識を応用し、次世代補聴器のためのより高度な両耳雑音抑圧法を設計することである。この高度な両耳雑音抑圧法を研究することにより、補聴器のパフォーマンスを大幅に向上させるだけではなく、将来的には聴覚障害者に対し知覚されにくい騒音環境下での音声の聞き取りを助ける働きを期待することができる。これまでに補聴器の二段階両耳音声強調システムを設計した.この提案アルゴリズムにおいて、目的信号は適応フィルタを用いて最初に消され、その時、時変ウィナーフィルタが混合信号から目的信号を抽出するために適用された。実装において,適応フィルタは正規化最小二乗平均を用いて,妨害信号の無い条件下で10sのホワイトノイズにより学習されている。実際のウィナーは周波数領域での誤差を最小にするために使用されている。さらに、「実数」利得をもつ一般的なウィナーフィルタが2チャンネルに分けられたため、出力での両耳の手がかりは正確な角度に維持されることが期待される。実験結果は複数の雑音環境下において、提案手法により高い雑音低減が可能となり、カクテルパーティー効果としてよく言及される音の定位能力も失わないということを示している。提案したアルゴリズムには以下の利点がある(1)複数の非定常雑音下であっても高い雑音低減性能である。(2)使用者の音響状態を維持する高い性能である。(3)サイズが小さく単純な実装である。(4)計算のコストが低い。これらの利点が提案アルゴリズムを最先端の補聴器に統合される良い選択肢とし、さらに聴力を損傷した人の聴力を向上する。
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Research Products
(4 results)