2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの触覚の触感覚認識機構を模倣した高機能・高感度触覚センサの開発
Project/Area Number |
19700161
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川村 拓也 Gifu University, 工学部, 助教 (50313911)
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Keywords | 先端機能デバイス / 触覚センサ / 触覚 / 感覚情報処理 / カーボンマイクロコイル |
Research Abstract |
ヒトの触覚が得意とする「つるつる・ざらざら」といった数μmの微小な凹凸のセンシングや, 物体把持のときに重要と考えられる微小な初期滑りのセンシングなど, ヒトの触覚の高機能・高感度な触感覚認識機構を解明し, その認識機構の仕組みをカーボンマイクロコイル(CMC)を用いた触覚センサのセンサ素子の設計・開発に役立て, ヒトの触覚の触覚認識機構を模倣した高機能・高感度な触覚センサを開発することを本研究の目的とする. 本研究では, 心理物理実験法によるヒトの触覚の触感覚認識機構の解明, およびCMCセンサ素子における数μmから数十μmの微小な機械的変形に対する応答特性の評価を行った, まずCMCセンサ素子の圧覚特性については, CMCセンサ素子を微小に圧縮変形させたときの力と出力信号の関係を明らかにした. 実験では, CMCセンサ素子をアクリル平板に数μmから500μm程度垂直に押し付けて圧縮変形させて, そのときのCMCセンサ素子とこの素子の下に設置した力覚センサの出力信号をそれぞれ測定した. その結果, 数μmの微小変形に対する出力信号の変化幅が圧縮量に依存し, その変化幅は圧縮量が大きくなるほども大きくなることがわかった. さらにこの特性はセンサ素子にかかる力と相関があることがわかった, つぎにヒトの触感覚認識機構については, 触運動の方向により指先の変形の仕方が異なる点に着目し, ステップ状の数μmの微小な段差を呈示することが可能な微小段差呈示装置を用いた心理物理実験を行って, 触運動の方向が触感覚認識機構に及ぼす影響を定量的に明らかにした. 実験では, 10μm程度の微小段差を指の長手方向に対して垂直に移動させた場合と並行に移動させた場合の弁別閾を求めた, その結果, 垂直に移動させる場合よりも並行に移動させる場合のほうが弁別閾は小さくなり, 指先を指の長手方向に動かすほうが微小な刺激を弁別しやすいことが示唆された.
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Research Products
(4 results)