2008 Fiscal Year Annual Research Report
動画像のアピアランスからの幾何構造抽出に基づく屋外シーンの柔軟な理解の実現
Project/Area Number |
19700166
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
波部 斉 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (80346072)
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Keywords | 幾何構浩 / 人物検出 / アピアランス / テクスチャ / 色情報 / 人物移動軌跡 |
Research Abstract |
ビデオカメラを用いて屋外シーンを撮影した映像に含まれる物体の検出・認識・追跡は, 画像情報処理やコンピュータビジョンの基礎的な技術であるが, 実環境において常に精度良くそれらを実現することは非常に困難である.これに対して本研究では, シーンの幾何構造の利用によって高精度化を図る.たとえば, 映像の中に含まれる建物や道路などがあらかじめ分かっていれば, 人が歩きうる場所をある程度絞り込むことができるため, 人物の誤検出を回避できると考えられる. シーンの幾何構造は人の手で与えることができるが, 将来カメラ数が膨大になったときには非現実であり, また, 時間が経過して構造が変化する場合に対応することも困難である.そこで, 本課題では, 画像のアピアランス(見え)から自動的にシーンの幾何構造を抽出する手法の実現を目指し, 研究を行っている.研究2年目の本年度は以下の項目について重点的に研究を行った. 1. 人物移動軌跡からの幾何構造の復元 : 1年目に検討した人物移動軌跡と画像の色情報から通路を抽出するアルゴリズムを用いて各種の画像においてのテストを行った.その結果, 画像の中の通路を正しく認識できることを確認し, さらに, その結果を利用すると人物検出精度が向上することを確認した. 2. 人物移動軌跡からの人物間インタラクションの解析 : 人物検出の精度を向上させるためには, シーンのもつ意味構造や歩行している人物の意図などをくみ取ることも重要である.そこで, 人物移動軌跡から人物問におこっている様々なインタラクションを解析しその関係などを推定するアルゴリズムの開発に着手し, 予備実験によってその基本的有効性を確認した.これは当初の計画にはなかったものであるが, 研究の目的を達成するには非常に有効なものであると考えている。
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