2007 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットハンド触覚センサにおける分散知覚と触覚フィードバック制御
Project/Area Number |
19700169
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 太 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (50314042)
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Keywords | ロボットハンド / 触覚センサ / 触覚フィードバック制御 |
Research Abstract |
今後の生活支援ロボットや医療・福祉ロボットは人間と協調・共存して作業を行う能力が求められており,多種類の作業を実行可能なエンドエフェクタとしてロボットハンドが必要とされている.また,ロボットハンドを用いて汎用的な作業を行う上で,分布型触覚センサは欠かすことのできないセンサである.平成19年度においては,ロボットハンドにおける分布型触覚センサの新たな情報計測技術の確立を目指し,FPGAを用いた分散知覚計測デバイスの開発を行った.開発したデバイスは,触覚センサ,センサ駆動回路,FPGAから構成されており,FPGAからの指令により分布型触覚センサを単一のセンサと見なす全体計測モード,分布の触覚情報を取得できる全点計測モードに切り替えることが可能である.これにより,触覚センサにオブジェクトが接触していない場合には全体計測モードで高速に計測ができ,接触した場合には全点計測モードでオブジェクトの接触状態を詳細に計測することが可能である.本デバイスの動作を確認するため,ほぼ1秒毎に触覚センサにカを加える実験を行った.その結果,開発した分散知覚計測デバイスを用いることにより,触覚センサが力を受けることで全体計測モードと全点計測モードが切り替わっていることを確認した.このように全体計測は,力の有無を高速に計測することができ,動的な触覚センシングの実装が期待できる.また,触覚フィードバック制御に関する事前研究として,上記分散知覚計測デバイスを使用せず,複数物体の把持を行う触覚フィードバック制御法を開発した.本手法では,安定把持状態からのずれを触覚センサにより計測し,そのずれの大きさに基づいて,ロボットハンドの各指の制御を行った.同様に評価実験を行い,開発した制御法を用いることで,複数物体の安定把持が可能であることを示した.
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