2008 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理によるコンクリート構造物のひび割れ自動検査
Project/Area Number |
19700180
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山口 友之 Waseda University, 理工学術院, 助手 (50424825)
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Keywords | パターン認識 / 画像情報処理 |
Research Abstract |
近年, 構造物に最も幅広く使用される材料である鉄筋コンクリートの表面には, 構造物の耐震性や材料劣化の進展を推定する上で極めて重要となる「ひび割れ」が発生する. 従来は, 人間による目視・スケッチによりひび割れの検査が行われてきたが, 検査の効率化・省力化を実現するために画像処理による検査が注目されている. 本年度は. 次の3つの研究を進展させた. (1) 雑音環境下にロバストでかつ, 高精度なひび割れ検出を実現する画像処理手法の確立する, (2) 実応用に適用可能な効率的な画像処理手法の実現する. (3) 実構造物のコンクリート壁面を対象とした高精度なひび割れ計測の考案する. (1) に関しては, パーコレーション理論を画像処理に適用し, 雑音環境下でロバストなひび割れ検出手法を確立し, 国際会議にて成果発表を行った. (2) に関しては, コンクリート表面上にはひび割れに相当する画素数が非常に少ないことに着目した効率的な画像処理手法を提案した. (3) に関しては, クラックスケールと呼ばれる目視検査で使用されるスケーラーを画像上に写り込ませてコンクリート表面を撮影し, 写り込んだクラックスケールとひび割れを照し合せることで, 実寸単位のmm幅でひび割れを計測する手法を提案し, 実構造物への適用実験を通してその計測精度を検証し, 良好な結果を得た. 以上のように, 本年度は研究目的を概ね達成できたと言える. 今後の課題として, 統合アプリケーションを作成し, 実現場での実験機会を増やし, 産業応用への拡大を試みる予定である.
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Research Products
(3 results)