2007 Fiscal Year Annual Research Report
相補的な識別器の生成とその統合に基づくパターン認識に関する研究
Project/Area Number |
19700181
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小川 哲司 Waseda University, 付置研究所, 助教 (70386598)
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Keywords | パターン認識 / 音声情報処理 / 識別器統合 / ブースティング / 重み付きHLDA |
Research Abstract |
本課題では,1)相補的な識別器を効率的に生成し,2)生成された複数の識別器を効果的に統合することで,パターン認識性能の向上を目指す.本年度は,下記の通り,基本方式の定式化と実装を行い,基礎的な知見を得た. 1)特徴変換にブースティングを利用した相補的な識別器の生成に関する検討: 特徴変換器の生成にブースティングを適用することで,相補的な(誤り傾向が異なる)複数の識別器を生成する枠組みである重み付き異分散線形判別分析(WHLDA)の定式化および実装を行った.WHLDAは識別器の相補性を理論的に保証するが,識別器の誤り傾向を調査することで実験的にもその検証を行った. 孤立単語音声認識実験により評価したところ,従来の識別器とWHLDAにより生成された識別器はともに95%程度の高い認識率を与え,かつ誤り傾向が25%程度異なることがわかった.この結果は,提案法が,個々の性能が高くかつ相補的な識別器を生成可能であるという,効率的な識別器統合方式であることを示したものである. 2)識別器の統合手法に関する検討: 全ての識別クラスに対して,統合対象となる全ての識別器が与える尤度のパターンを特徴量としてSVMを用いたパターン認識を行うことで,識別器を統合する枠組みを実装した.ここでは,各々の識別器の尤度を線形結合した値を用いて最終的なクラスを決定する従来法との比較を行った. 1)と同様の孤立単語音声認識実験により評価を行ったところ,識別器の統合を行わない場合に生じる誤りの74%を削減した.また,各々の識別器が与える尤度を線形結合した値を用いて最終的なクラスを決定する方式で生じる誤りの71%,従来の特徴量とWHLDAで生成される特徴量を結合した特徴量を用いてパターン認識を行う方式で生じる誤りの72%を削減しており,提案法の有効性が示されたと言える.
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Research Products
(5 results)