2007 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット制御ソフトウェア開発のための超高速動力学シミュレーション環境
Project/Area Number |
19700190
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
長谷川 晶一 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (10323833)
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Keywords | シミュレーション / ロボット / 制御 / 安定性 |
Research Abstract |
本研究はロボットが活動する環境・機構・コントローラを安定かつ高速にシミュレーション可能な,超高速ロボットシミュレータの構築を目的とする.コントローラを拘束条件としてシミュレータに組み込むことで,環境・機構・コントローラの全体を陰積分でシミュレーションし,時間刻みを大きくとっても安定なロボットシミュレーションを実現する.本年度は,これまで構築してきた,運動方程式と拘束条件をLCP(線形相補問題)に定式化する速度ベースの動力学シミュレータに,陰積分によるPDコントローラを統合した.LCPを用いるシミュレータでは,ひとつの拘束条件がLCPの行列(JM^{-1}JT)の1行に対応するが,PDコントローラよる速度変化も拘束条件の一種と考えることができる.そこで,PDコントローラもLCPの行列に加え,関節や接触による拘束条件とあわせて解く.これにより接触力や関節力といった他の拘束力とあわせて,PDコントローラによる力を,後退積分を用いてシミュレーションすることができた.後退積分では,積分誤差が系のエネルギーを減少させる方向に発生するため,時間刻みを大きくとった場合でも安定なシミュレーションが可能になる.実際,時間刻みを0.05秒とした場合でも,発散することなく,床の上で歩行する簡単な機構を安定にシミュレーションすることができた.また,シミュレータを利用して,多関節剛体モデルの動作作成支援ソフトウェアを構築し,シミュレータの実用性と信頼性の向上を図った.
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