Research Abstract |
ロボットが屋内屋外ともに活躍するには移動能力は必須であり,特に不整地移動が可能になるとその活動範囲は飛躍的に広がる.本研究の目的は,福祉・レスキュー分野での応用までを意識した搭乗可能な不整地移動ロボットの機構を開発し,制御手法を構築することである.今年度は,この目的を達成するために,以下のことを行った. ・本研究で提案した新しい機構を持つ実験機サイズのロボットを用い,移動手法について理論的,実験的に検証した. ・外部からの研究資金を獲得した上で,搭乗可能な実物サイズの不整地移動可能なパーソナルモビリティビークルを開発した. ・開発した実物サイズのロボットに関して,その基本的な移動動作を確認した.また,基本的な移動能力を搭乗状態で実現できることを理論的,実験的に検証した. 上記の成果により,積載部・搭乗部を水平に保ったまま段差や溝などを越えることもできる,実用的な車輪型移動体が実現できることを実証できた.なお,安定性,エネルギ効率性などを考え,陸上輸送機械の覇者である自動車をベースに,最小の駆動軸数のシンプルな機構を付加することで,脚移動モードを実現した.4車輪移動機械に対する脚機能の付加を,最小の駆動軸数で可能にしたため,実用フェーズの搭乗用機械や運搬機械を開発する際にコスト面でメリットがあり,また,シンプルな機構であるため運用面や保守面においてもメリットがある.これらは,ロボットを実用機械にする上で非常に重要な要素である.
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