2007 Fiscal Year Annual Research Report
足底皮膚変形計測による歩行時の足底触覚刺激情報処理モデリングに関する研究
Project/Area Number |
19700195
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
竹村 裕 Tokyo University of Science, 理工学部, 助教 (60408713)
|
Keywords | 生体計測 / 足底触覚情報処理 / 歩行解析 / 足底局所滑り現象 |
Research Abstract |
本研究では,歩行中の足底の触覚刺激に着目し,足底触覚刺激が歩行運動に及ぼす影響を明らかにすることを目指している.研究実施初年度の主な目的は,計測システムの開発と基本的な考え方を検証するとともに、次年度以降の分析・解析に使用する測定データの蓄積であった.具体的には以下のように実施した. 1.床反力・足底皮膚変形計測同時計測装置の開発:アルミフレーム,透明アクリルプレート,複数の高速カメラ等を用いた足底皮膚変形計測装置の開発を行った.また,床反力同時計測のために,平行平板構造を利用したひずみゲージ式6軸力センサをアクリルプレートと透明アルミフレームの間に設置できるように設計・開発を行った.さらに,鉛直方向のキャリブレーションを実施し,歩行中の鉛直方向の床反力と足底の皮膚変形が同時計測可能となった. 2.歩行中の足底触覚刺激量の変化に伴う歩行運動の計測・データの蓄積:既往の寒冷療法を応用し,局所的に神経の発火頻度の低下,皮膚受容器の鈍化を各被験者に施し,開発した足底皮膚変形同時計測装置,モーションキャプチャ装置などを用い冷浴前後での歩行動作の計測,足底皮膚変形計測を行い,データの蓄積を行った.計測結果より,足底刺激が歩行動作に与える影響に関する新たな知見を得た. 本研究では,一般的に普及した歩行解析の方法で計測できない足底の触覚刺激や皮膚変形に着目し,足底の皮膚変形が計測可能な装置を開発し,実験的に足底触覚刺激が歩行に及ぼす影響を確認した.本研究により,足底触覚刺激が歩行動作に影響を与えることが示唆されたことは,歩行動作解析の研究に新しい視点をもたらすものである.また,従来得られなかった情報を基に歩行解析が可能となり,歩行メカニズムにおいて新たな知見を得られたことは非常に意義が大きく,今後の新しい歩行動作解析の発展への貢献が期待される.
|