2007 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中の生体内分泌物質によるパソコン作業におけるストレスの蓄績の評価
Project/Area Number |
19700204
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
野村 収作 Shimane University, 総合理工学部, 助教 (80362911)
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Keywords | 感性情報学 / 感性生理学 / ストレス / 人間生活環境 / 生物・生体工学 / バイオマーカー / コルチゾール / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
本研究は継続的なパソコン作業による心的ストレスを唾液中のストレス・バイオマーカー(ホルモン等)により客観的に評価する試みである。唾液により物質的に心的ストレスを評価する試みは20数年前の行動医学研究に端を発する。しかしながら、近年の分子分析技術の発展により現在では過去において技術的に困難であった評価手法が可能となっている。申請者独自の連続的な唾液バイオマーカー評価手法もその一つである。平成19年度に得られた成果を以下に述べる。 ・PC作業・休憩スケジュールに対する5種類のバイオマーカーの動態調査唾液中に含まれるストレスマーカー(候補)物質は十種類以上あるが、本研究ではその内、免疫グロブリン・コルチゾール・クロモグラニン・DHEA・アミラーゼを対象とし、PC作業・休憩にたいする同バイオマーカーの時間変化を監査した。各バイオマーカーは人間の生理ストレス反応においてそれぞれ別々の制御系統を反映する物質である。実験の結果、PC作業ストレスに対して各バイオマーカーが特徴的な時間変動を示すことが発見された。また、物質によっては、ストレス反応の時間遅れが発生し、結果的に休憩を挟む断続的なPC作業にたいして蓄積的な変動を示した。このような長時間にわたる蓄積的な変化は、いわば内観における心的ストレスの蓄積と合致しており、他の生理指標(例えば心拍や脳波)などでは観察できず、バイオマーカー指標の特徴と考えられる。この成果は、本申請計画の目的および期待される成果と合致するものであった。
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