2007 Fiscal Year Annual Research Report
知覚・認知に基づく抽象図形の感性情報データベースの開発
Project/Area Number |
19700212
|
Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
山口 由衣 National Agricultural Research Organization, 食品総合研究所食品機能研究領域, 契約研究員 (00442765)
|
Keywords | 実験系心理学 / 感性情報学 / 図形 / デザイン / 知覚・認知 |
Research Abstract |
本研究は、知覚・認知特性に基づいた、コンセプト(感情・印象)を含んだ標準化図形データベースの開発を目的とする。ここでは印象を含んだ図形の知覚・認知特性を明らかにし、これを基盤としてコンピュータによって意味を含んだ図形を発生するシステムを開発する。さらには生成された図形を用いて心理学的な実験を行い、最終的に、標準化した図形データベースを構築する。 本年度は、印象を含んだ図形の知覚・認知的特性の明らかにするため、(1)図形の基本生成法の確立、(2)知覚・認知実験による図形特性の究明、(3)意味を含んだ図形の生成実験を実施した。(1)においては、コンピュータで図形を作成するための基本生成法を確立した。ここでは0yama, et. Al.(1998)の原理を利用して、4変数;頂点数、振幅、各頂点の連結方法(直線連結/曲線連結)、各頂点位置の規則性(規則的配置/不規則的配置)を変化させた波形の始点と終点を、円形に連結する方法を用いた。(2)では、(1)で生成した図形を用いて、心理学的な実験を行った。具体的には、ディスプレイの中央に配した標準図形を、左右に呈示された比較図形のどちらと形状が類似しているか、強制2択でキー押し判断させ、その反応時間を測定した。これにより、図形の類似判断を行う際、複雑性という知覚・認知特性が他の特性より優先的に処理されることが示とれた。(3)においては、意味を含んだ図形を生成するため、食味をイメージして手描きで図形表現する実験を実施した。これにより、コンセプトを含んだ図形の生成が可能であることが示された。次年度以降は意味を含んだ図形の生成パラメータ等を検討し、(2)と同様な実験などから、知覚・認知特性を究明し、コンセプトを含んだ図形データベース構築を目指す。
|