2008 Fiscal Year Annual Research Report
比喩理解の容易さと困難さ:動詞比喩の理解プロセスと字義通り文理解との関連の解明
Project/Area Number |
19700247
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
中本 敬子 Bunkyo University, 教育学部, 講師 (50329033)
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Keywords | 比喩 / 動詞 / 言語理解 / 認知心理学 / 認知科学 / 日本語文の理解 |
Research Abstract |
本研究は, 動詞が比喩的に解釈される文(以下, 動詞比喩)をとりあげ, それらがどのようなプロセスを経て理解されるかを明らかにすることを目的としている. 昨年度の研究により, 同じ動詞を含む文であっても, その動詞がどの意味に脱曖昧化されるか(言い換えると比喩的に解釈されるのか, 字義通りの意味に解釈されるのか)によって, 共起する名詞句の語順の選好のされ方がことなることが示唆されていた. この点に関していくつかの動詞をとりあげ, 計量心理学的な手法を用いて, 名詞句の語順の選好度を測定した結果, やはり比喩的な意味で使われる場合とそうでない場合で名詞句の語順の選好が異なることが示された. さらに, 名詞句の語順が動詞の意味の脱曖昧化に対して影響を持つかという点から検討した. その結果, 同じ名詞句と動詞で構成される文であっても, 名詞句の語順が異なる場合には(より具体的に言うと, XがYにZを(動詞)順とXがZをYに(動詞順)を比較した場合には), 動詞が比喩的な意味へと解釈される傾向の強さに差があることが明らかになった. さらに, より意味が抽象的であり多様な用法を持つ動詞の方が, そうでない動詞に比べて, このような動詞の意味の脱曖昧化に対する語順の影響が強いことが明らかになった. これらの成果に関しては一部は既に学会で発表済であり, 論文としても発表される予定である. なお, 反応時間を指標とした実験による理解プロセスの検討に関しては, 現在も研究を継続中であり, まとまり次第, 研究成果を発表する方針である.
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Research Products
(2 results)