2008 Fiscal Year Annual Research Report
図地分離を中心とした形態視の情報処理のメカニズムの研究
Project/Area Number |
19700250
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
菊池 眞之 Tokyo University of Technology, コンピュータサイエンス学部, 講師 (20291437)
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Keywords | 脳・神経 / モデル化 / 実験系心理学 / 図地分離 / 形態視 |
Research Abstract |
本研究課題では、ヒトの脳の視覚系における図地分離のプロセスを中心とした形態視の情報処理の原理について解き明かすべく, モデリング並びに心理物理実験により取り組んでいる. モデリングについては, 研究者の発想の限界を超えたモデルを獲得する為に, 研究対象とする視覚機能の本質を説明し得る神経ネットワークのモデルをコンピュータにより自動的に生成させることを目指している. モデルの自動生成に際しての拘束条物理的知見を新たに幾つか得ていることがまず挙げられる. 形状認知との関連性も指摘を与え得る知見を得るべく, 心理物理実験も実施する. 本年度の成果としては. 心理される運動統合については, 本研究室での心理物理的研究により図地分離と密接な関連があることが示唆されていた(Kikuchi & Nagaoka. 2006). 本年度は提示する運動エッジ本数を2本に限定し, エッジ同士のなす角を数通りに変化させつつ, 図地規定要因として両眼視差以外にも2次元的要因として領域のパターンの時間・空間周波数の対比を用いた実験も行うことで, より多角的かつ詳細に図地分離と運動統合の関係性を明らがにした(高橋&菊池, 2009). また, 従来2次元刺激で調べられてきたゲシュタルト要因の一部を3次元に拡張した際の特性についても明らかにした(北野&菊池.2009).さらに. 図地分離の影響を受けることも明らかにされているアモーダル補完の機能が, 空間な注意から受ける影響についても明らかにした(前田&菊池2009).一方で昨年度に研究課題の予算で購入したモデル自動生成のためのPCクラスタを実稼働させるべく本年度は整備を進めた. 並列計算の為のLAN結合のトポロジーを確定させつつ, MPIを用いた計算の為のソフトウェア上の準備も進めた. 基盤となる進化的計算のプログラムの実装も行っており, 最終年度の展開に向けた準備を整えた.
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