2007 Fiscal Year Annual Research Report
順序と位置の学習を担う神経基盤:齧歯類デグーでの検討
Project/Area Number |
19700255
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上北 朋子 The Institute of Physical and Chemical Research, 生物言語研究チーム, 研究員 (90435628)
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Keywords | 系列学習 / デグー / タッチスクリーン |
Research Abstract |
本研究では言語の下位機能として重要なモジュールである時系列操作の脳機構を明らかにする前段階として、デグーにおける系列課題の開発と基礎データの収集を行なった。これまでの研究において、デグーは自発的に複数のカップを操作し、時系列的に大中小のカップを重ねる階層操作能力や訓練による熊手の操作といった道具使用が可能であることが報告されている。 このような複雑な時系列行動が可能なデグーを対象として、主に霊長類や鳥類で用いられてきたタッチスクリーンシステムにおける、動作系列課題の開発を行なった。デグーに対しスクリーン上に提示された図形刺激に対しタッチし、報酬を得る訓練を行なった。左右にランダムに提示される刺激を追従することを訓練し、2つの異なる強化スケジュールで本訓練を実施した。系列完成後に報酬を与える群を完遂強化群、反応ごとに報酬を与える群を逐次強化群とした。まず、実験者が任意に決めた順序で2項目系列の生成を訓練した。 完遂強化スケジュールでは強化子が与えられる項目への固執が生じることにより学習ができないが、逐次強化スケジュールでは3項目の系列生成が可能であった。学習成立後に完遂強化に移行すると、成績は一旦悪化する。これは強化子が与えられない項目への反応が消去されることによる。また、2項目系列生成では雄のほうが雌に比べて成績が良いが、3項目系列生成の初期には雌の成績が雄を上回った。雄では3項目系列が徐々に獲得されていくのに対し、雌では1セッションで獲得された。以上の基礎データをふまえて、位置の系列生成に関わる脳部位の特定を行なっていく。
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