2009 Fiscal Year Annual Research Report
勾配写像を利用した非ガウス型時空間モデルの設計法と評価法
Project/Area Number |
19700258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清 智也 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (20401242)
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Keywords | 勾配写像 / 凸最適化問題 / 輸送問題 / 方向統計学 |
Research Abstract |
勾配写像に基づく非ガウス型モデル(以下、勾配モデルと略記する)について、昨年度の成果を拡張した。勾配モデルとは、ある固定した確率分布を凸関数の勾配写像で引き戻してできる連続変量確率分布であり、最尤法が凸最適化問題に帰着されることや、独立性が線形部分モデルとして記述可能であるなどの利点を持つ。今年度の成果として、球面上に値をとるデータに対するモデルを提案した。球面上のデータは、方向統計学と呼ばれる分野で扱われており、扱いやすいモデルの構築が急がれている。特に、既存のモデルであるフィッシャー・ビンガムのモデルは、柔軟であるものの、密度関数の正規化定数が陽に計算できないという問題がある。本研究で提案したモデルは、最適輸送理論で発展している多様体上の輸送写像を利用したものであり、尤度が陽に書け、最尤法が凸最適化問題になることが示された。これにより、フィッシャー・ビンガムモデルと同等な柔軟性を持ち、かつ扱いやすいモデルが構築された。数学的には、最適輸送理論の最新の成果を用いており、関連分野にもインパクトを与えている。本方法を用いる上でネックとなる点は、パラメータ空間の許容領域が陽に表されない点である。この問題に対しては、比較的簡単な二次関数の場合について具体的な近似集合を与えた。以上の結果、実データに対して、これまで扱いやすかったフィッシャーモデルよりも良い予測性能を持つモデルを選択できるケースがあることを指摘した.
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