2008 Fiscal Year Annual Research Report
不完全観測を伴う計数過程情報に対する統計モデルの推測と3タイプ部分尤度の研究
Project/Area Number |
19700263
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 知之 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (70324829)
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Keywords | 統計科学 / 計数過程 / ノンパラメトリック / 統計数学 / Coxハザード・モデル |
Research Abstract |
本研究目的は, Coxハザード・モデルの適用拡大を意図し, 不完全観測を伴うCox型計数過程モデルの統計的推測の基盤を整備するために, 3タイプの部分尤度 : (a)周辺部分尤度, (b)双子の疑似部分尤度, (c)EM型周辺プロフィール尤度に対して, 統一的かつ普遍的な科学的見解を示すことである. 本年度においては, 疑似部分尤度(b)の特色をより抽出しやすく, EM型周辺プロフィール尤度(c)の結果(NPMLE)と比較しやすい2重中途打ち切りデータを伴うCoxモデルの帰無形式をとり上げた. セミパラメトリック・プロフィール尤度に対する有効スコア関数に, 二三のTaylor近似を有意義に適用することで, この場合におけるNPMLEが前進マルチンゲールGaussian過程と後退マルチンゲールGaussian過程の重ね合わせに弱収束することを定式化した. このような結果は, 諸種の不完全観測を伴うCox型計数過程モデルにおいて共通にみられる事実であることが示唆され, 本研究目的における一つの有意義な結果((b)と(c)の橋渡し)を達成することができた. 次に, (a)と(c)の橋渡しを研究するために, 治癒混合モデルに対する周辺部分尤度(a)からの漸近一致性の研究を行った. その中で, (a)から導かれる経路積分型平均の潜在基礎ハザードの推定量が, (c)からFredholm積分方程式を解くことにより得られる潜在基礎ハザード関数の推定量と漸近同等になるという知見を得た. この知見は, 熱方程式の解法のFeynman-Kac公式に類似する思想であるが, 彼らの公式を本研究に直接的には利用できない. 諸種の接近法の中で, 積分のLaplace近似よる方法を用いて, ここでの知見((a)と(c)が漸近同等)を得ることができた.
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Diameter of splenic vein is a risk factor for portal or splenic vein thrombosis after laparoscopic splenectomy2009
Author(s)
Danno, K., Ikeda, M., Sekimoto, M., Sugimoto, T., Takemasa, I., Yamamoto, H., Doki, Y. and Monden, M.
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Journal Title
Peer Reviewed