2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700267
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松田 源立 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 助教 (40433700)
|
Keywords | 統計数学 / 画像・文章・音声等認識 / 信号処理 |
Research Abstract |
本年度は、情報量基準の利用による独立成分分析の改良とその検証、及び、自然画像処理における提案手法の性能評価に主に取り組んだ。 1.独立成分分析における最適化の収束条件に関して、昨年度より情報量基準を用いた分析を行ってきたが、本年度は、分析を更に進め、動的な閾値に基づく収束条件を提案した。具体的には、最適化の各ステップにおいて、最適化関数の減少率を計算し、その率がある一定量より大きい場合のみ、実際の最適化が行われるような条件を提案した。この結果、最適化初期には大まかに、収束期にはより精密に、最適化が行われるようになり、効率的な最適化が可能となった。他研究では、このような収束条件は経験的に定められることが多かったが、本研究では、情報量基準に基づき理論的に導出出来ることを示した。また、数値実験により、実際に独立成分分析が高速化されることを示した。 2.本研究の提案手法を実データ、特に自然画像に適用し、他手法との性能を比較した。具体的には、自然画像から抽出された独立成分群のいくつかの主要な統計量を計算し、手法間で比較した。その結果、提案手法は、大幅に少ない計算時間で、他手法とほぼ同様の性質の独立成分群を抽出出来ることが実証された。また、提案手法はサンプル数が少なくても有効である、という知見を見出した。従来の独立成分分析では、十分なサンプル数が存在することが前提であったが、実問題ではこの前提が満たされない場合も多い。従って、この知見により、提案手法の実問題における優位性が示された。
|