2007 Fiscal Year Annual Research Report
計算科学・生化学的手法を用いたEGFレセプター高親和性人工リガンドの分子設計
Project/Area Number |
19700278
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
末永 敦 The Institute of Physical and Chemical Research, 高速分子シミュレーション研究チーム, 研究員 (90415191)
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Keywords | 分子シミュレーション / 分子設計 / 結合自由エネルギー |
Research Abstract |
EGFレセプターに対する、天然に存在するEGFと拮抗するような高親和性の人工EGFを設計することを目的とし、EGFレセプターと計算機上で設計した人工EGFとの結合親和性を計算機シミュレーションにより求めた。EGFに対して全ての可能な1アミノ酸置換を行い、それら1アミノ酸変異EGFとEGFレセプターの結合親和性を網羅的に検索するが、まずEGFのEGFレセプターとの結合に関与しないと考えられる部位を削除し、天然のEGFより小さいEGFを天然EGFの鋳型とした。計算機シミュレーションにより、EGFのN末端25残基を削除したNΔ25-EGFは、天然EGF構造を維持していることを確認した。次いで、NΔ25-EGFの全てのアミノ酸に対し、自分自身を除く他の19種類のアミノ酸置換変異体を計算機上で作製し、それら1アミノ酸変異NΔ25-EGFとEGFレセプターとの間の結合親和性を計算機シミュレーションにより見積もった。人工リガンドの特性を持たせるために、本研究では2種類の非天然アミノ酸(ノルロイシン、オルニチン)も候補に加え、したがって、NΔ25-EGF22残基×(自分自身を除くアミノ酸種19+非天然アミノ酸2)=462種類の1アミノ酸変異NΔ25-EGFの候補についてEGFレセプターとの結合親和性を計算科学的手法により見積もり、結合親和性について順位付けを行い、高親和性1アミノ酸変異人工EGF候補を検索した。初年度の目標は達成し、現在は計算機シミュレーションにより求められた候補に対し生化学的実験により結合親和性を求めている。
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