2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700296
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
桧山 武史 National Institute for Basic Biology, 統合神経生物学研究部門, 助教 (90360338)
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Keywords | ホメオスタシス / 神経科学 / 動物行動 / 生理学 / 解剖学 |
Research Abstract |
体液Naレベル検出中枢である脳弓下器官には、脱水状態下に体液のNaレベルが上昇した時に活性化するニューロンが多数存在する。体液NaレベルセンサーであるNa_xを欠損したNa_x遺伝子欠損マウスでは、脳弓下器官において脱水時に活性化するニューロンの数が野生型マウスよりも亢進していることから、脳弓下器官のニューロンの一部はNa_xの制御を受けていると考えられる。一方、脱水状態下では下垂体後葉から抗利尿ホルモン(バソプレッシン)が放出されるが、バソプレッシンの産生部位である視索上核に脳弓下器官からの神経投射があることがわかっている。しかしながら、バソプレッシンの放出制御にNa_xの制御下にあるニューロンが関与しているか、わかっていなかった。本研究では、逆行性標識薬であるコレラトキシンBサブユニットをマウス視索上核に注入し、その後脱水状態にして活性化した神経細胞を免疫組織化学的手法により同定した。これにより、視索上核に軸索を投射するニューロンのうち、脱水状態下で活性化した細胞の割合を明らかにすることができた。これを、Na_x遺伝子欠損マウスと野生型マウスを比較検討した。また、Na_x遺伝子欠損マウスと野生型マウスの間で脱水時の血中バソプレッシン量や視索上核におけるバソプレッシンのヘテロ核RNA量を比較検討した。以上の解析から、脳弓下器官においてNa_xにより感知された体液Naレベルの情報がバソプレッシンの放出制御に関与している可能性を検討した。
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