2009 Fiscal Year Annual Research Report
発生期脊髄背側部におけるnetrin1の時期・領域特異的な発現調節機構の解明
Project/Area Number |
19700297
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡辺 啓介 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 助教 (20446264)
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Keywords | netrin1 / 軸索誘導 / 発現調節 / 脊髄 / DRG |
Research Abstract |
発生期の中枢神経系において、多様な機能をもつ神経細胞の個性の獲得とその後引き続く細胞移動や軸索伸長が適切に行われることが、機能的な神経回路網形成に重要となる。後者の過程にはnetrin、semaphorinなどの分泌性軸索誘導分子が重要な働きを持つことが広く知られている。我々はこれまで、発生期マウス脊髄背側部の細胞がnetrin 1をある特定の時期にのみ局所的に発現することが、一次求心性神経(DRG)線維の適切な軸索投射に重要であるということを新たに明らかにした。その発展として、本研究ではnetrin 1の時期・領域特異的な発現調節機構の解明、さらに脊髄の神経回路形成におけるnetrin 1の広範な機能を明らかにすることを目的とした。平成21年度は、前年度見出したnetrin-1による脊髄背側部で産生され正接方向状に移動する介在神経細胞の脊髄腹側部への誘因作用について詳細な解析を引き続き行った。脊髄最背側部に発現するWnt1-Creマウスの導入を行い、このマウスとGFPレポーターマウスを交配させることで、腹側部に移動する神経細胞の細胞系譜解析を試みた。さらに培養系を用いることで、netrin-1の誘因作用について解析を行った。これらの結果は現在論文再投稿中である。さらに、共同研究として、海馬顆粒細胞の軸索投射、ニワトリ前脳におけるGnRH神経細胞の細胞移動にもnetrin-1シグナルが深く関わることを明らかとした。
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Research Products
(5 results)