2007 Fiscal Year Annual Research Report
二光子顕微鏡による小脳神経細胞集団のCa2+シグナル測定と計算論的解析
Project/Area Number |
19700298
|
Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
土居 智和 Osaka Bioscience Institute, システムズ生物学部門, 研究員 (20435564)
|
Keywords | 二光子顕微鏡 / イメージング / カルシウム / 小脳 |
Research Abstract |
脳がどのように情報処理をしているのかを明らかにするために、二光子顕微鏡で麻酔下マウスの小脳皮質の細胞集団のカルシウム活動を観測した。カルシウム蛍光色素を直径500ミクロンの範囲の神経細胞に導入した。 小脳プルキンエ細胞の樹状突起部で自発的カルシウム活動を捉え、この活動は隣のプルキンエ細胞と著しく同期して活動することを見つけた。隣のプルキンエ細胞という空間解像度レベルでの同期は、現時点ではカルシウムイメージングのみ観測できるものであり、プルキンエ細胞の入力元の下オリーブ核の電気活動が同期しているという知見とも合致する。 次に、マウスに自然刺激を与えて、カルシウム応答が見えるか調べた。使った刺激は光、髭と眼へのエアパフ、白色ノイズ音、後足への電気刺激であった。今までの時点でカルシウム応答を見いだしたのは、後足への電気刺激のみであった。刺激の200ミリ秒以内にカルシウム応答があらわれた。1試行だけでは、カルシウム活動が自発的なものか刺激依存なものか判別できないので、数十回の試行のカルシウム応答の平均を求めた。 また、ニポウ型ディスクの高速共焦点顕微鏡でも、二光子顕微鏡と同様のカルシウム活動を見いだすことができた。高速共焦点顕微鏡では、顕微鏡視野全体を毎秒30枚で取得できるので、広い範囲でのカルシウム活動パターンを捉えることができる。また、データ量が膨大になるので、解析の自動化が必要になってきた。画像処理の技術により、目的の形の細胞を関心領域として自動的に抽出できるようにした。自動化により、リアルタイム解析の結果に応じて自動的に刺激の種類や強さを変えるという、一種のブレイン・マシン・インターフェイスの手法の基盤が整った。
|
Research Products
(1 results)