2009 Fiscal Year Annual Research Report
マクロピノサイトーシスによる神経突起伸長の抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
19700302
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
樺山 博之 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生神経生物研究チーム, 客員研究員 (10332339)
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Keywords | 反発性軸索誘導 / マクロピノサイトーシス / セマフォリン |
Research Abstract |
反発性軸索誘導は間違ったシナプス形成をしない為に必須であり、世界中で分子メカニズムの研究がアクチン骨格系制御分子の解析を中心に行われてきた。しかし、研究代表者はマクロピノサイトーシスという特殊なエンドサイトーシスによる大規模な細胞膜の回収が神経突起成長円錐のコラプスや反発性旋回運動に必須である事を世界に先駆けて発見した。本研究では、従来の研究では全く注目されていなかった、マクロピノサイトーシスによる反発性軸索誘導の分子メカニズムの解明を目的とする。平成21年度はsyntaxin-1が成長円錐においてマクロピノサイトーシスの負の制御因子であるかを、蛍光ラベルした高分子量のデキストランの取り込みにて詳細に解析を行い、syntaxin-1のsiRNAによるノックダウンによって、蛍光デキストランの成長円錐への取り込みが誘導される事を明らかにした。さらにこの誘導がクラスリン依存性のエンドサイトーシスの阻害剤であるMDC存在下においても、全く阻害されないことを見いだし、syntaxin-1がマクロピノサイトーシスの負の制御因子であることを確定した。さらに、反発性軸索誘導分子であるセマフォリン3Aの下流分子であるPI3-kinaseの阻害剤によって、syntaxin-1の発現が激減する事も明らかとした。これらの成果をまとめて、誌上発表のため、現在論文投稿準備中である。また、前年度に膜動態を制御する分子であるsyntaxin-6のcoiled-coilドメイン1の解析を行い、神経栄養因子であるNGF依存的な神経突起伸長において正の機能を持つ事を明らかにしたが、平成21年度はさらに、coiled-coilドメイン2が神経突起伸長において負の役割を果たすことを明らかにした。今後マクロピノサイトーシスとの関連も調べていく。
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Research Products
(2 results)