2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞特異的発現ニューログロビン遺伝子の転写調節機構に関する研究
Project/Area Number |
19700307
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田原 強 The Institute of Physical and Chemical Research, 分子プローブ機能評価研究チーム, 研究員 (20419708)
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Keywords | ヘム / ニューログロビン / 転写 |
Research Abstract |
ニューログロビン遺伝子のヘム依存的発現 ニューログロビン遺伝子のヘム依存的発現 神経系培養細胞であるマウスNeuro2aおよびラットPC12細胞において、ヘム添加群でのニューログロビン(Ngb)遺伝子の発現に変動が見られなかった。そこで、ヘム合成阻害剤であるサクシニルアセトン(SA)を用いて細胞内ヘム含量を低下させた。Ngb遺伝子の発現量をRT-PCE法たよって検討したところ、SA添加によってNgb遺伝子の発現が低下する傾向が見られた。つづいてタンパク質の発現についても調べるために、ウエスタンブロット解析を行った。その結果、遺伝子発現と同様、SA投与群においてNgbタンパク質量も低下の傾向が見られた。今回の実験から、神経細胞におけるNgbの遺伝子発現が、細胞内ヘム含量によって調節されている可能性を示唆する結果が得られた。 ニューログロビン遺伝子プロモーター領域のクローニング マウス由来の培養細胞からゲノムDNAを調製し、Ngb遺伝子プロモーター特異的プライマーを用いてPCRによって増幅した。およそ2KbpのPCR産物の配列を確認したところ、報告されている配列と異なっていた。そこで、新たにプライマーを設計し直した。またラットおよびヒトの培養細胞からゲノムDNAを調製し、マウスゲノムDNAと共にプロモーター領域の増幅を試みた。マウスおよびラットのゲノムDNAから目的サイズのPCR産物が増幅することができた。今回増幅された配列は、数か所に塩基配列の違いが見られたが、基本的にはゲノムプロジェクトで報告されている配列とはぼ一致していた。この塩基配列の違いは、PCRによって増幅する際に生じたミスリーディングではないことは、複数回PCRを行った結果から示された。ルシフェラーゼアッセイの結果、本研究でクローニングした領域において、活性を有していた。すなわち本実験において、2Kbp上流までのNgb遺伝子プロモーター領域が、初めてクローニングできたと考えられた。
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