2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700323
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
太城 康良 Mie University, 大学院・医学系研究科, 講師 (10398787)
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Keywords | アストロサイト / シナプス / 延髄 / 孤束核 / 血圧調整 / 神経発達 / ラット / 電顕 |
Research Abstract |
神経回路のシナプスの改編は生理機能の変化を生じる場合が多い。前年度以前はラットの呼吸・循環中枢である延髄の孤束核の背側部において、アストロサイトの発達が阻害されると、通常の発達過程で減少すべき抑制性シナプスが残存すること報告してきた。この現象は、血圧の上昇を感知し恒常性を保つべく心臓の拍動にフィードバックをかける「圧受容器反射」に影響を与える可能性を示唆している。本年度は、交付申請書の研究計画と同じく、余剰に抑制性シナプスを有するラットの圧受容器反射の生理機能を評価することを目的とした。 コントロールのラットでは、phenylephrine投与で一過的な血圧上昇を引き起こすと速やかに(約80秒)基底状態に回復する。一方、余剰に抑制性シナプスを有するラットでは、血圧上昇から基底状態に回復するまでに、より長い時間(約200秒)を要することが計測された。これら結果は、孤束核に余剰なシナプスを有するラットでは圧受容器反射が成熟していないことを示唆する。しかし、孤束核以外の神経回路の異常による影響も寄与していることも含まれている。そこで、本年度は、さらに、血圧上昇の情報を孤束核に伝達する舌咽神経、迷走神経の形態発達に関する知見も得ることにし、ラット胎仔の全胚をニューロフィラメントに対する2H3抗体での染色を開始した。 これらの成果の一部はすでに、国内の学会発表で公表されており、討議の結果も踏まえ研究は発展的に継続している。本研究の遂行により、新生児突然死症候群などの病態解明の端緒開くものと思われる。
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Research Products
(2 results)