2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700330
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
梅本 丈二 Fukuoka University, 医学部, 講師 (30320287)
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Keywords | 神経筋疾患 / 咀嚼機能検査 / 嚥下造影検査 / 最大舌圧 / 口腔通過時間 / 咽頭残留量 |
Research Abstract |
【目的】神経筋疾患患者の摂食嚥下障害の評価には嚥下造影検査(VF)が優れているが、口腔期が十分に評価されているとは言い難い。そこで、神経筋疾患患者にとって最適な食形態の基準を作成する目的に、咀嚼機能検査とVFを行い両者の関連性を検討した。【方法】対象は、2007年4月からの1年間にVFを行った福大病院神経内科と国立病院機構大牟田病院神経内科の神経筋疾患患者54名(パーキンソン病14名、パーキンソン症候群8名、運動ニューロン疾患7名、筋ジストロフィー18名、脊髄小脳変性症7名)。咀嚼機能検査として咬合力、咬合接触面積、咀嚼筋筋電図、舌圧測定を行い、さらにゼラチンゼリーを用いたVF像の画像解析から食塊移送時間、舌背運動距離、咽頭残留量を測定した。このうち最大舌圧と食塊の口腔通過時間や咽頭残留量との関連性について解析した。【結果】主な疾患別の平均最大舌圧は、パーキンソン病25.8kPa、パーキンソン症候群31.0kPa、運動ニューロン疾患24.3kPa、脊髄小脳変性症18.7kPa、筋強直性ジストロフィー13.8kPaであった。VF像での平均口腔通過時間は、パーキンソン病7.0秒、パーキンソン症候群4.8秒、運動ニューロン疾患2.4秒、脊髄小脳変性症4.3秒、筋強直性ジストロフィー5.1秒などであり、最大舌圧との間に相関性が認められたのは筋強直性ジストロフィーのみであった。また咽頭残留が多量であった患者の平均最大舌圧は14.6 kPa、少量であった患者は24.7 kPa、残留がなかった患者は24.1 kPaであった。【まとめ】最大舌圧は舌などの筋力低下が大きく影響する咽頭残留量との関連性は示唆されたが、筋力低下以外の要因が影響する口腔通過時間とは関連性が低かった。今後さらに症例数を重ねて、咀嚼機能の各項目とVF像の各項目との関連性について解析する予定である。
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Research Products
(2 results)