2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700330
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
梅本 丈二 Fukuoka University, 医学部, 講師 (30320287)
|
Keywords | 神経筋疾患 / 咀嚼機能検査 / 嚥下造影検査 / 最大舌圧 / 口腔咽頭通過時間 / 舌運動速度 |
Research Abstract |
昨年度は、パーキンソン病患者の嚥下障害について最大舌圧の低下、口腔咽頭通過時間の延長、舌や下顎の運動速度の低下について報告した。本年度は筋強直性ジストロフィー(DM1)の嚥下障害について検討を行った。【目的】DMlは、筋萎縮、筋強直、多臓器障害を特徴とする遺伝性ミオパチーである。DM1患者の口腔機能検査と嚥下造影検査を用いて各項目の相関関係について検討した。【方法】対象は、2007年2月からの30か月間に福岡大学病院と大牟田病院神経内科でVFを受けたDM1患者15名(男性10名、女性5名、平均年齢49.3歳)。食事内容は常食が9名、軟飯食2名、粥食2名、ペースト食2名であった。口腔機能検査として咬合力、咀嚼筋筋電図、舌圧などの測定を行った。VF検査ではゼラチンゼリー約5mlを90度座位で咽頭残留物が全て通過するまで反復嚥下させた画像を解析し、口腔咽頭通過時間、下顎と舌の運動量、舌骨挙上量、咽頭残留物の面積などを測定し、100点満点の嚥下障害スコアで評価した。各測定項目について相関関係を検討した。【結果と考察】口腔機能検査の測定値とVF像所見の間には相関関係は認めらなかったが、咬合力と咀嚼筋活動量の間には有意な相関関係を認めた(r=-0.588,p<0.02)。VF像での各解析項目については、下顎運動距離と舌運動距離の間(r=0.886,p<0.01)、舌骨挙上距離と咽頭残留面積の間(r=0.531,p<0.05)や、舌骨挙上距離と咽頭期嚥下障害スコアの間(r=0.598,p<0.03)、さらに咽頭残留面積と咽頭期嚥下障害スコアの間(r=0.680,p<0.02)に有意な相関関係を認めた。咀嚼筋や舌筋の筋力低下はVF上では評価しにくいこと、さらに嚥下障害が進行し咽頭に残留しやすい患者ほど、咽頭残留物を通過させるために努力嚥下を必要としていることが示唆された。
|
Research Products
(5 results)