2007 Fiscal Year Annual Research Report
AβのN末端部の脳内アミロイド蓄積部位に与える影響
Project/Area Number |
19700333
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
武田 和也 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 血管性認知症研究部, 特任研究員 (40393160)
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Keywords | 痴呆 / 老化 / 脳神経疾患 / 神経科学 / アミロイド / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
Aβ5-40/42をマウス脳内で過剰に生成させるため,N末端にシグナルペプチドを付加した,APPのC末端95残基を発現させるベクターを構築した。実際にAβ5-40/42が生じるかどうかを確認するため,これを培養細胞にトランスフェクションしてその生成物を解析した。質量分析法等による解析の結果,この分子種が培養上清に分泌されることが確認された。またα-セクレターゼによる代謝物,Aβ17-40/42の生成は見られなかった。C末端を欠失させたAPPを過剰発現させる方法では,Aβ5-40/42と共に,この分子種の生成も亢進するため,今回構築した遺伝子は,Aβ5-40/42の生成による効果を検討するのに,より適したものと思われる。また本法では,APPのC末端部の欠失による何らかの機能不全を考慮する必要が無く,他のAPPトランスジェニック(Tg)マウス等と比較する際においても有利であると考えられる。さらに,変異型PS1存在下で,Aβ5-42の生成を亢進させることも可能であり,本研究目的に非常に適している。この遺伝子をマウスの神経細胞で特異的に過剰発現させるため,Thy-1プロモーターを用いたベクターに移し替え,現在,Tgマウスの作製中である。 またAPP Tgマウスの一系統である,Tg2576の脳をAβ5-x特異抗体を用いて解析中であるが,培養細胞を用いた実験において,Aβ1-40/42の生成を亢進するスウェーデン型変異を伴うAPPでは,C末端31残基の欠失が,Aβ5-40/42の生成亢進にあまり影響を与えない結果が見られ,APP Tgマウス脳における当該分子種の検索においては,この変異を含むマウスは不適である可能性が示唆された。そこで,異なるタイプの変異を持つTgマウスについても検討を行う予定である。
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