2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞の増殖・分化に作用するephrinーEphシグナルの解析
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19700346
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
澤田 貴宏 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助教 (00382325)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
「研究の目的」に基づきEph-FGFR複合体の下流シグナル分子との相互作用を詳しく調べた結果、以下の研究成果を得た。 (1)昨年度までの研究でEphA-FGFR-FRS2αによるクロストークとそれらによる複合体形成を見出し、これが神経幹細胞の増殖において重要な役割を担うという新たな知見を示した。本年度はこれらの複合体による神経幹細胞の分化への影響を検討した結果、EphAのリガンドであるephrin-Alでの刺激により神経幹細胞が神経細胞へ分化誘導される事を免疫染色法により発見した。FGFRおよびEphA4によるFRS2αのリン酸化部位の相違から、今後分化に作用する複合体下流シグナルの解析を進める。 (2)EphA4がEGFRとも結合し、リン酸化を受ける事を発見した。この発見はEphA4がFGFR以外の多様な受容体型チロシンキナーゼともクロストークをもつ事を示唆していることから、EphA4と各種受容体との結合およびリン酸化を、HEK293細胞を用いた強制発現系で調べた。その結果、EphA4はPDGFRα、PDGFRβとよびVEGFR2と結合を示し、特にPDGFRβとは双方向性のリン酸化を示した。現在これらの受容体分子について詳細なクロストークの解析を進めており、血管新生や他の生命現象における当該クロストークの役割を調査する布石としている。 これらの研究成果にてEph-FGFR-FRS2α複合体によるシグナル伝達が細胞の増殖に作用するだけでなく分化にも関与していることがわかり、幹細胞研究の観点から非常に重要であると考えられる。また、EphA4を中心とした多様な複合体形成とそのクロストークを解析することは、様々な生命現象を調節する複雑なシグナル伝達の仕組みを解明するうえで重要であると考えられる。
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[Journal Article] Involvement of GCMB in the transcriptional regulation of the human parathyroid hormone gene in a parathyroid-derived cell line PT-r : Effects of calcium and 1,25(OH)_2D_32010
Author(s)
Masayuki Kawahara, Yasumasa Iwasaki, Kazushige Sakaguchi, Takafumi Taguchi, Mitsuru Nishiyama, Takeshi Nigawara, Machiko Kambayashi, Takahiro Sawada, Xuefeng Jing, Masayasu Miyajima, Yoshio Terada, Kozo Hashimoto, Toshihoro Suda
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Journal Title
Bone
Volume: 47
Pages: 534-541
Peer Reviewed
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