2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体内CRIP法を用いたRNA結合蛋白質Musashiの翻訳制御標的遺伝子探索
Project/Area Number |
19700348
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今井 貴雄 Keio University, 医学部, 助教 (10383712)
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Keywords | RNA / Musashi / 翻訳抑制 / miRNA / let-7 / 神経幹細胞 / 転写後調節 / 神経系 |
Research Abstract |
RNA 結合蛋白質Musashilの結合RNAをCRIP法で同定するために、Musashi1を効率よく免疫沈降できるモノクローナル抗体の作製を行った。C末側の65アミノ酸とgp64蛋白質との融合蛋白質を抗原として、バキュロウィルスのウィルス膜状に提示させた状態でマウスに免疫を行い、ハイブリドーマを作製し、スクリーニングを行った。その結果、高効率に免疫沈降可能な10種のモノクローナル抗体を作製することに成功した。これらの抗体を用いて、本研究の継続する平成20年度においてCRIP法によりMusashi1の下流標的RNAの同定に用いる予定である。また、Musashi1はmicroRNAを介した遺伝子発現制御系にも関わりがあることが明らかとした。 Tumor suppressorの性質を有するlet-7 miRNAにMusashi1が特異的に結合することをGel shift法により発見した。また、Musashi1はRISC複合体の一部であるArgonaute(Ago)と同一の複合体に存在することを共沈実験により明らかにした。これらのことから、let-7のbiosynthesis, processing, functionのいずれかにMusashilが関わっている可能性が示唆された。 Let-7の活性を計測できるLuciferaseレポーターを用いることにより、各種細胞におけるlet-7の活性を調べたところ、Musashi1を発現している細胞群では、let-7の活性が低く、Musashi1が発現していないNIH3T3細胞においては、let-7の活性が高いことを明らかにした。そこで、NIH3T3細胞にMusashi1を強制発現させると、let-7の活性が落ちることが明らかとなり、Musashi1はlet-7に対して阻害効果を有することが判明した。
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